シャワーキャップで男性目線から女性目線へ

ホテルでは、男性、女性の一人客を断っている店が多いです。風俗嬢の利用を制限するためですが、犯罪者の隠れ家になることを避ける目的もあります。そのため、男性同士のカップルを断るところもあります。また、男性一人と女性二人ならOKなのに、男性二人と女性一人はNGという店もあります。男性が二人以上いると、犯罪の危険性が高まると考えられているからです。

男性に冷たい感じもしますが、もともとはホテルは男性中心に考えられてきた場所です。それが次第に女性中心に変わってきました。

ホテルの重要顧客は男性でした

もともと「連れ込み旅館」の時代から、遊女をつれて入る客が多かったため、ホテル側は男性に対するサービスをメインにしていました。恋人同士で入る場合も、男性が必死に手をひき、強引に連れ込むパターンが多かったため、男性客を取り込むことだけを考えれば良かったわけです。

洗面所に置くアメニティグッズは男性用が中心で、ポマード、チック、ヘアリキッド、ヘアトニック、アフターシェーブローション、くし、カミソリなどです。当初はヘアケア用品はビンごと置いてあったために、顧客が持ち帰ってしまうことが多くなり、キャップをはずして置かれるようになりました。その後、小分けした袋入りのものが開発されて、持ち帰りのリスクはなくなります。

女性客重視でシャワーキャップ登場

1970年ころからだんだん女性重視の傾向が出てきます。女性が性に対して積極的になり、ホテル選びも女性視点で考えるようになったからです。アメニティグッズも女性受けするものがどんどん取り入れられるようになりますが、一番最初に取り入れられて大ヒットしたのは「シャワーキャップ」。

60年代末に登場した「シャワーキャップ」は、バーのホステスに喜ばれました。客と同伴で店に行く前に、ホテルでセックスをする際、美容院で整えたばかりの髪が乱れてしまうため、シャワーキャップがとても便利。あっという間に、全国各地のラブホで取り入れられます。一般の女性にとっても便利なグッズだったため、定番のアメニティグッズとなります。これをきっかけにして、70年代の後半からは女性向けのアメニティグッズが次々と登場しました。

もともとは男性視点でつくられていたラブホテルは、70年前後から女性目線に変わり始めます。そのきっかけとなったのは、シャワーキャップでした。