ラブホテルの名前の歴史

かつての連れ込み旅館の名前は、「○○旅荘」「○○家」「○○乃家」「○○荘」など、普通の旅館となんら区別のないものが一般的でした。旅館の外観も中身も普通の旅館風で、初めて入った人にはカップル用だとはわかりにくいつくりになっていました。それが次第に変わり、どんどんユニークな名前が登場します。

「荘」から「チャペル」への進化

連れ込み旅館が「連れ込みホテル」と名前を変えるころから、ホテルの名前は「○○御殿」「○○御苑」などに変わっていきます。さらに、モーテルが登場し外観も派手になると、「エリザベス」「キングダム」「クイーン」「ロイヤル」「クラウン」「皇帝」「伯爵」などと、西洋の王族、貴族的なものが登場します。

さらに、68年の札幌オリンピック、70年の万国博覧会を機に、外国の地名も使われるようになります。「アメリカン」「ニューヨーク」「ナイアガラ」「ベニス」などです。また、73年に「目黒エンペラー」が大ヒットして以来、「エンペラー」が流行となります。「目黒エンペラー」はマスコミでもさかんに取り上げられたため、「エンペラー」が憧れのホテルの名前となりました。

80年代には女性がラブホテルの主役化していくのにともない、女性に気に入られる名前が工夫されます。海外旅行で人気の高い「パリ」「フィレンツェ」などの観光地の名前や、かわいらしい名前や結婚願望を反映した「チャペル」などが登場しました。

よく使われている名前、面白い名前

現在最も多く使われている名前は「アイネ」。続いて、「RESORT」(リゾート)、「Villa」(ヴィラ)、「エンペラー」、「Hills」(ヒルズ)、「シャトー」、「ファイン」、「アルファ」、「パーク」、「リバーサイド」などです。圧倒的にカタカナ(アルファベット)の名前が多いようです。

こうした流行路線とは一線を画したネーミングで頑張るホテルもあります。「もっこりひょうたん島」「ちょっと」「と、いうわけで。」「おらおら」「この指とまれ」「つれてって~」「バナナとドーナツ」「農協」「すしやのとなり」「さりげなく」「いつものところ」などなどです。ラブホテル経営者たちの努力の跡がうかがえます。

ラブホテルの名前は、旧式な旅館風のものから次第に変化し、60年代には「キングダム」「伯爵」などの格式の高いもの、70年前後からは「アメリカン」などの外国の地名、80年代にはいり「パリ」などおしゃれな名前にと変遷してきました。現在では「アイネ」「ヴィラ」「リゾート」などが多くなっています。